タイ料理と言えば、ナンプラー。
日本の醤油のように、タイの食卓では使われています。
(写真左上)タイの食卓調味料には唐辛子入りのナンプラーが置かれている
ちょっと入れるだけでグッと旨みが増し、味に深みが出ます。 とはいえ、
「使い方が分からず、冷蔵庫で眠っています」
「一瓶買っても、使い切れません」 「家族が臭くて嫌がります」 という、お困りのお声も多いです。
けれど、もともと、煮干しや鰹節の出汁などの魚の旨味が大好きなのが日本人。
実は、親しみやすい味なのです。
今日は、そんなナンプラーをじっくりとご紹介しますね!
<目次>
■オススメのナンプラーについて
■ナンプラーとは?どうやって作られているの?
■ナンプラーの種類と比較
■ナンプラーの歴史
魚醤自体の歴史は古い
■ナンプラーの使い方のコツ
ナンプラーの使い分け
ナンプラーの匂いが苦手な場合の使い方とは??
■オススメのナンプラーについて
輸入食材店へ行くと、日本でも手に入るナンプラー、増えてきましたね。
多いと5,6種類あることも。
どのナンプラーがいいか?
良く聞かれるようになりました。
これは、好みもあるため、一概には言えません。
言えませんが、私も同じ質問を師匠である、シーサモン・コンパン先生にしたことがあります。
その時の先生の答えが、
「高いものが美味しい」
という、すごいシンプルな回答でした(笑)
確かに、高いものは使用している素材が良かったり、手間や時間がかかっていたりと、高いなりの理由があります。
当然、価値として高い訳ですから、美味しいです。
シーサモン先生の回答は極端ですが、一つの指標にはなると思います。
これを踏まえたうえで、レッスンで使っているナンプラーをご紹介しますね。
それは、こちら↓
ユーキトレーディングさんの、ラヨンナンプラー。
タイのナンプラーの主な生産地は、チョンブリーというところと、ラヨンという地域があります。
ラヨンナンプラーは、ラヨンで作られている、一級品です。
■ナンプラーとは?どうやって作られているの?
ここでちょっとナンプラーの作り方の話をしますね。
もともと、ナンプラーとは何か、というと、魚を発酵させた発酵調味料です。
いわゆる魚醤(ぎょしょう)のこと。
魚醤は日本にも、秋田のしょっつるや、石川のいしるなどがあります。
発酵調味料としては、醤油より歴史が古いです。
タイのナンプラーのナン(ナム)は水、プラーは魚という意味です。
魚と塩を漬けておくと、発酵が進み、魚のたんぱく質がアミノ酸に分解されて、ドロドロの液体になります。
分解が進むと、液体がうわずみとなり、溜まっていきます。
最初にこの液体部分を取り出したものが一番搾りです。
これに、臭み消し目的や保存性を上げるための砂糖を加えて、ビン詰めしたものが一級品と言われています。
次に、貯蔵容器に残った固形分に食塩水とアミノ酸(うま味調味料)を加え、熟成させて液体を取り出したものが二番搾り。
これにお酢を加えて瓶詰したものが二級品となります。
オススメしたラヨンナンプラーは、一級品のナンプラー。
分解時にできたアミノ酸は、うま味成分のグルタミン酸となって、強い旨みのもととなります。
それもあって、旨みが強くてまろやかな味をしています。
お値段も安くはないのですが、機会があれば使ってみてください^^
教室でも販売していますので、ご興味があれば、お声がけくださいね。
ちなみに、ナンプラーは手作りもできます。
こちらは現在我が家で熟成中のナンプラー↓
■ナンプラーの種類と比較
せっかくなので、それ以外のナンプラーもご紹介します。
魚マークのメガシェフは、通常12~18カ月の熟成期間が2年と、熟成期間が長め。
こちらもマイルドで旨みの強い一級品のナンプラーとなります。
あとは、スーパーなどで手に入れやすい同じユーキトレーディングさんのYOUKIナンプラーや、S&B食品さんの李錦記ナンプラーもすっきりとした旨みと塩味のバランスがよく、使いやすいくてオススメです。
価格帯も、最初の二つよりお手頃です。
さらにお手軽なのが、タイでよく使われている、天秤マークのトラシャン。
または、中国語が書かれたティパロスです。
この2つは日本の醤油メーカーでいうところのキッコーマンさんとヤマサさん。タイで最も一般的です。
また、生徒さんにオススメされて使ってみたのが、日本のメーカーのヤマモリさんのナンプラー。
こちらは味も美味しいですが、使いたい分だけ出てくる、プッシュ式容器が使いやすいです。
日本メーカーならではの気遣いですね^^
また、魚以外の原料を使ったナンプラーもあります。
牡蠣やホタテなど、貝類を使ったものも作られています。
魚のナンプラーと比べると、塩味より旨みが強いのが特徴です。
■ナンプラーの歴史
ナンプラーといえばタイの伝統的調味料と考えてられていますが、実は20世紀初頭まで、市販のナンプラーはありませんでした。
当時、タイの東北部、イサーン地方では自家製の塩辛の副産物であるナンパーデークという調味料が使われていました。
また、首都バンコクではベトナムから輸入されたヌクマムが、それぞれ調味料として使用されていました。
ちなみに、ヌクマムはベトナムの魚醤。
原材料も製法も、ほぼナンプラーと変わりません。
タイには中国の潮州市から移住してきた華人が多く住んでいますが、彼らが、ヌクマムを真似てタイ人向けの魚醤を作ったのがナンプラーの始まりです。
ナム(水)プラー(魚)という名前は、中国語の「魚露」を直訳してnam plaと名付けられ、調味料として市販されるようになったそうです。
・魚醤自体の歴史は古い
ちなみに、魚醤自体はアジアだけでなく、世界でもかなり古くから使われています。
諸説ありますが、日本では弥生時代、肉や魚を保存のために塩漬けした際に、食材から出てくる水分を肉醤、魚醤として使われていたとも言われています。
さらにヨーロッパでも古代ローマ帝国時代から「ガルム」という名称で使われていました。
今は「ガルム」としてではなく「コラトゥーラ」と呼ばれ、特に南イタリアで使われています。
複雑な味や香りが世界で使われ、親しまれています。
■ナンプラーの使い方のコツ
ナンプラーは醤油に比べると、魚の発酵食品のため、核酸などの旨味成分と塩分が強いです。
そのため、醤油の代わりに使うと、はっきりとした塩味と旨みが感じられます。
うどんやそうめんのつゆなど、もともと魚の出汁をつかった料理に塩の代用品として使えば、グッと美味しく仕上げることができます。
苦手な方も多いあの独特の匂いと臭みですが、加熱することで揮発して、気にならなくなりますよ^^
例えば、炒め物の仕上げに鍋肌から、ちょっと加えると、入れた瞬間は臭いですが、食べるころには気にならなくなっています。
・ナンプラーの使い分け
ナンプラーは値段が高いものが美味しい、というお話をしましたが、使い分けると良いかなと思います。
例えば、サラダのドレッシングなど、ナンプラーの味がしっかりと感じられるものには美味しいものを。
タイカレーなど、ハーブや他の調味料の味に紛れて、ナンプラー単体の味が分かりづらい場合には、低価格帯のナンプラーを使うと良いと思います。
・ナンプラーが苦手な場合の使い方とは??
と、ここまでの内容は、こちらの動画でも、お話ししています↓
その動画をご覧の、ナンプラーが苦手な方から、さらにご質問をいただきました。
ぷんと臭いのが苦手で中々使えません。
でも料理によっては使いますよね?
一回使ったまま残ってしまい、気にしています。
何とか無駄にしないよう使って見たいです。
具体的な使い方が知りたいです。
ありがとうございます!
ナムプラー好きの私の意見より、お役に立てるかなと思い、ナムプラーが特に好きではなかった方に、インタビューしてみました。
梨鈴さん、こんばんは!
ナンプラー活用法ですね^^
実は一昨年ぐらいに、初めてユウキの50mlのナンプラーを買ったのがほんとの初めてでした。
何に使ったかは忘れてしまったのですが。
クセのある香りだなぁ。
苦手ではないけど、うーん…という印象でした。
この春の梨鈴さんのライブ配信で、香味野菜の卵焼きのレシピが気になって。
卵焼きが美味しかったのがひとつ。
もうひとつは、ライブ配信で聞いた、
・チャーハンにも合う
・たまり醤油のような感じ
・加熱すれば香りがマイルドになる
・和食ともなじみやすい発酵調味料
この辺りのフレーズに興味が湧いて。
何に使えばいいんだろう?
クセの強さと合う食材って何だろう?
という疑問が解けたといいますか。
チャーハンや野菜炒めは元々よく食べていたので、そこから活用しました。
あとは、いつも食べてるハウスの甘口カレーの隠し味に、色々足してみるのがマイブームだったので、ちょっと混ぜてみたり。
そんな感じです。
ライブ配信チャレンジではタイ料理の世界たくさん教えてもらえました^^
Tさん、むちゃくちゃ具体的な方法をありがとうございます!
具体的な方法をまとめると、ナムプラーの匂いが苦手な場合、使い方のコツは、以下の通りです↓↓↓
☑チャーハンや野菜炒めに入れて、香りを飛ばす。
→仕上げに使います。フライパンの鍋はだから入れて、香りをしっかり飛ばしてくださいね!
☑日本のいつものカレーの隠し味に
→スパイスなどの香りで気にならなくなります。入れることで魚介の旨みが追加されます。
☑香味野菜(玉ねぎ、セロリなど)の卵焼きに入れる
→香りの強い野菜と焼くことで、香りが気にならなくなります。
ナンプラーを買ったはいいものの、冷蔵庫で眠っている、という場合は、ぜひ参考にしてください^^
レッスンでは、これ以外にも、たくさんのナンプラーの使い方をご紹介しています。
発酵食品の一つでもある、ナンプラー。
同じ発酵調味料の醤油や、みそなどとも抜群に合います。
冷蔵庫に残りがちな調味料ではなく、冷蔵庫になくてはならない調味料の一つとして使えるようになりますよ。
生徒さんの多くは、あっという間に使い切り、小さいサイズでは足りなくなり、大きいサイズのナンプラーを買われています(笑)
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調味料の使い方も、たくさんご紹介しています。
一緒に、ナンプラーを使いこなしちゃいましょう♪
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